『時喰監獄』のストーリー展開上、時間が重要な役割を担います。
きっと、そうなるだろうな、と危惧していた通り、小説を書きながら、「だけど、時間って何だろう?」と、考えても詮ないことを何度も考えてしまいました。
ささいなことに気を取られて、キーをたたく手が止まるのが、私の悪いくせです。特に集中力が落ちてきた頃が要注意です。
当然、いくら考えたって答えが出るはずもなく、締め切り前の貴重な時間を浪費しただけでしたが、いつか思い返すときのために、ブログの備忘録に放り込んでおきます。
ひとさまの目に触れる文章ですが、論旨を整えて格好つけるのも何なので、まとまりのないまま、だらだらと書いてしまいます。
宇宙がビッグバンによって始まった、という説は、現在では定説となったようですが、私が子供の頃はまだ、いくつもある仮説のひとつだった記憶があります。
当時を振り返って不満に思うのは、ビッグバンという大爆発で宇宙が一瞬のうちに誕生した、という度肝を抜くような理論を、へえ、そうなんだ、と適当に納得してしまった少年時代の私の態度です。途轍もない話だぞ。もうちょっと驚けよ。驚きが多い方が人生面白いじゃないか。
そのビッグバン仮説によると、「時間」は宇宙の誕生と同時にできたとか。時間って「できる」ものなんだ、とちょっと茫然となります。
爆発についても同様で、一般に爆発というのは、何かが壊れる現象です。ダイナマイトでビルを解体するとか、電子レンジの中にゆで卵を入れてチンするとか、大抵の場合、爆発は我々に破壊をもたらします。にもかかわらず、この世界は「爆発によって生まれた」というのです。いったい、どうなってるんでしょうか。
ときどき、時間とは我々の頭の中にだけ存在している概念であって、本当はそんなものは存在しないのではないか、と思うことがあります。
人間以外の動物は時間など気にしないが、実は彼らの方が正しいのではないか。未来や過去はもちろん、この瞬間の、何時何分何秒という時間さえ、想像の産物に過ぎないのではないか。
だとすると「時間」はビッグバンではなく、人間が創造したことになります。車輪や貨幣や数学をも超える、人類最大の発明なのかもしれません。
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