数日前、部屋でパソコンを使っていると、隣家の波板が、ミシリ、ミシリと軋んだ。
「ん?」と耳を澄ませると、どうも足音を忍ばせて歩いている音に聞こえる。
最初は猫かな、と思ったが、猫ならば音を立てないだろう。
とすると、まさか……泥棒か?
少し躊躇ってから、そっと窓を開けて外の様子を窺う。
足音の主はカラスだった。
波板の上を、ぴょん、ぴょんと軽くジャンプしながら移動していた。
こちらに気づいているが、恐れる様子はない。
カラスは夜になると市街地を離れて郊外の巣に戻ると聞いていたけど、ときどき夜更かしのカラスや、逆に滅法早起きのカラスを見かける。
カラスの世界も暮らし方が多様化しつつあるのだろうか。それともこの個体が例外なのか。
あるいは私が知らないだけで、彼らは昔から結構自由に生きてきたのかもしれない。
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