2018年10月04日

新作の準備、ぼちぼち進んでいます。

次回作は、書き下ろしの長編になる予定です。
初めて編集者から、こういう内容のものを、と依頼されて書きました。
「分かりました」と引き受けたにもかかわらず、求められていたもの以外の要素もあれこれとつけ加えてしまい、「やり過ぎたか。これはボツになるかも」と半ば覚悟していたら、OKになりました。
OKが出た途端、「ま、面白いんだから当然だな」と、たちまち調子に乗るのが(もちろん心の中で、ですが)私の未熟なところです。
手直しすべき箇所が色々とあり、刊行はまだしばらく先の話になりますが、出版をとりまく状況が厳しさを増す中で、新作を出す機会を得られたのはありがたいことです。
(ここまでを読み返すと、一行ごとにスタンスがぶれているように見えますが、単に強気と弱気のあいだで揺れているだけです)
さあ、気を取り直してガシガシ改稿していくぞ。
どうぞ、楽しみにお待ち下さい。

posted by 沢村浩輔 at 13:36| お知らせ

2018年06月20日

『海賊島の殺人』の表紙画像です。


『海賊島の殺人』表紙画像


自分の本を世に出すときの作業の中で何がいちばん嬉しいかといえば、編集者から送られてきた装幀のデータを開いて眺める瞬間のワクワクに尽きます、少なくとも私は。
その瞬間、延々とゲラを修正した苦しい記憶がすーっと消えていき、清々しい気分だけが心に残ります。

posted by 沢村浩輔 at 14:26| お知らせ

2018年06月05日

『海賊島の殺人』

七月に東京創元社より『海賊島の殺人』(創元推理文庫)が出ます。

2015年に発売された『北半球の南十字星』の文庫版で、タイトルを『海賊島の殺人』に変更しました。
作者自身も気に入っている話なので、手にとって頂ければ嬉しいです。

ともあれ、文庫化できて良かった!
この吉報を、ぜひ作中の海賊たちにも知らせてやろうと思ったのですが、なにせ海賊だから、いったん海に出てしまうと連絡の取りようがないんです。
あいつら、いったいどこにいるんだろう。
七つの海のあちこちから目撃情報が寄せられるものの、急いで現地に向かっても、到着するとすでに彼らの姿はなく……。
神出鬼没の連中なので、こういうときは本当に困ります。
仕方がないので伝言を残して引き上げたのですが、帰宅すると、彼らの一人から手紙が届いていました。ジーナ・ウェンライトという女海賊です。
以下に手紙の要約と雑感などを。

「久しぶり。伝言をどうも。私はいまオーストラリアの北端をインド洋へ向かってるところ。あの本が文庫になるんだって? おめでとう。ところで文庫って何? まあいいや。今月末にインドへ立ち寄る予定だけど、その本はインドで売ってる? あ、ないの? じゃあ、いつか日本へ行ったときに奪い――じゃなかった、買うことにする。こっちは元気でやってるから大丈夫。他の船長たちも、たぶん、まだ生きてる。とりあえずお祝いの品を送っておいたから。じゃあ、また」

 手紙の文面は優しげだが、怒らせると彼女は実に恐ろしい人である。そうでなきゃ海賊船の船長にはなれないだろう。少し意外だったのは手紙の文字が端正なことで、中世の識字率の低さから考えれば不思議な気がする。彼女は海賊になる前の経歴を黙して語らないが、何かありそうだ。
 さて、問題は手紙と一緒に送られてきた小さな酒壺だった。彼女がつくった〈南十字星〉というお酒なのだが、実はまだひとくちも飲んでいない。せっかくのお祝いの酒をなぜ飲まないのかは、どうぞ来月発売の『海賊島の殺人』を読んで確かめてみて下さい。

posted by 沢村浩輔 at 13:03| お知らせ