2022年12月31日

大晦日ですね


人類の祖先はアフリカ大陸で誕生したといわれている。
そして長い時間をかけて、世界中に散らばっていったのだ、と。
彼らがアフリカを出た理由は様々だろう。
ライオンや狼がうろついていて、いつ食べられるかと気の休まる暇がない。
気候変動で、食べるものが、あるいは水が無くなってしまった。
病気が蔓延して、この場所に留まっていたら生命の危険がある。
生まれ育った土地を離れるのは、そういうやむを得ない事情による場合が大半だったと思われる。
しかし故郷の地を離れた一群の中には、冒険心に突き動かされた者も混ざっていたのではないか。
ここにいれば平穏に暮らせるのに、地平線の彼方を目指して歩き出したのだ。
彼らは前人未踏の荒野を進み、その多くは飢えたり、怪我をしたり、病気になったり、肉食獣に襲われたりして命を落とす。そして幾多の災難をくぐり抜けた幸運な者だけが、比較的安全で水と食べ物がある土地を見つけ、ようやく過酷な旅が終わる。
だが、そこでの暮らしにも満足できず、ふたたび先を目指す者が出現する。
そうやって長い年月をかけ、ユーラシア大陸を東へ、東へと進み、地球をほぼ半周した末に、日本の地にたどり着いた。
その末裔の一人が私である。
私の先祖を延々たどっていけば、恐れを知らぬ冒険者が何人も見つかるだろう。
彼らのDNAは多少は私にも受け継がれているはずだ。
人生を覆すような冒険をするつもりはなくても、ささやかな冒険心をもう少し発揮してもいい気がする。

今年もありがとうございました。
来たる2023年が、皆様にとって良き年になりますように。

posted by 沢村浩輔 at 00:54| 備忘録とかメモ

2022年12月09日

寒くなってきました


毎年、この季節になると、指先がかさついて指紋認証がとれなくなり、スマートフォンから「あなたの指紋は登録されてないから使えませんよ、あしからず」と通達されるのが結構ストレスです。くそ、また登録し直さなきゃいけねえのか。

というわけで気分転換に、映画『RRR』を観てきました。
いやあ、噂に違わぬ面白さでした。
とにかくエネルギッシュで、アイディアに満ちたアクションシーンの連続。敵役は最初から最後まで悪に徹してくれるので、心置きなく退治されるのを楽しめます。
ここぞという場面でのスローモーションや決めポーズが素敵です。
これだけ多くの人が死に、全編バイオレンスが横溢しているのに、不思議なエレガンスがあるんですよ。
そしてエンタメとしての優しさがたっぷりと詰まっています。
主役の一人が英国側の警察官として登場することを始め、「ははあ、こいつは何かあるな」と観客に思わせておいて、後半で「ほーら、やっぱりな! そういうことだと思ってたんだ」といい気分にさせてくれるのが、もてなしってものじゃありませんか。
あっというまの三時間でした。

posted by 沢村浩輔 at 23:28| 備忘録とかメモ

2022年08月16日

今日も暑いです


この春に本棚の入れ替えを行った際、各本棚の本を、ところてん式(?)に移動した。コミックスの置き場所のひとつが、机に座って首をひょいと右に向けた先になったので、必然の結果として、ときどき読み返している。
昨日は町田洋さんの短編集『惑星9の休日』を再読した。
全編面白かったが、今回心に残ったのは、「UTOPIA」だった。
膨大な映画のフィルムを保管している倉庫でアクシデントが起こる話で、倉庫の管理人のおじいちゃんと青年の会話が素敵だ。
保管してあるフィルムのほとんどを観たと言うおじいちゃんに、青年が「ええ!? 全部!? これ全部!?」と驚く。
そして矢継ぎ早に訊ねる。

「……これ面白い?」
「面白いよ クライマックスの女優の鬼気迫る演技がすごい」

「これは?」
「面白いよ 音楽の使い方のズレ具合がまた洒落てるんだな」

「あ、これは観たわ すげえつまんなかった」
「いや、面白いよ 夏の岬の風景が爽やかで癒されるね」

                         『惑星9の休日』P28より

いいなあ、と思う。
私もこのおじいちゃんのような境地に立ちたい。
でも油断すると、ついあら探しの感想を言いそうになる。

posted by 沢村浩輔 at 21:12| 備忘録とかメモ